7月1日、8日、15日,3回シリーズで高3の受験勉強の一環として「漢文特講」を行いました。
大学入試センター試験は来年の1月中旬ですが、今年の9月下旬に出願開始です。受験勉強はその効果が早ければ3~4ヶ月後に現れます。時差があります。夏の頑張りが冬にあらわれます。そのためこの特講を今やることになりました
現行の「センター試験」の国語はなかなか強敵です。圧倒的な文字量がネックです。50点満点の大問が4つで計200点。試験時間は80分です。
説明文、物語文、古文、漢文の4つの大問で構成されているセンター試験の国語は、かなり高度な国語力を要求しているため、大学の合否に影響します。英語や数学が合否のカギなので、国語は少し軽視されているように感じますが、上位校、難関校になればなるほど、センターの国語の出来不出来が合否に大きく関与します。
では、国語はなぜ軽視されるのでしょうか?もちろん英数が優先されるからではありますが、あながちそれだけではないようです。
よく言われるのは、「小学校からずっと国語が苦手だったから今さら国語を勉強する気にならないし、さあ勉強しよう、となっても何をやればいいのかさっぱりわからない!」というのが大半です。
国語の学習で身に着けたい学力は、「読解力」です。「初見の文章での読解力」です。(ここで注意したいのは、「読解」と「解釈」と「鑑賞」を混同しないこと。これについてはまたお話しさせていただきます。)焦点は読解力の養成です。
さて読解する際、気をつけなければいけないポイントがあります。大学入試の漢文の読解は、約120の「重要漢字」が理解できているか?にかかっています。例えば漢文中に『若』という字が出てきたらそれをなんと読むかということです。
『若』を、①「ごとし」なら「~のようだ」、②「しく」なら「匹敵する、~に及ぶ」、③「もし」なら「もし~ならば」、④「なんぢ」なら「おまえ」となります。『若』は①助詞、②動詞、③副詞、④名詞の4つの用法があり、それを理解することがポイント、点数アップの必須事項です。
特に、返り点も送り仮名もほどこされていない「白文」を読むことを目指して、約120ある重要語、重要漢字を中心に、パワーポイント、プロジェクターを使って授業をしました。
実はセンター試験の漢文は満点(50点)が狙えます。「センターの漢文は、満点とるぞーッ!」が合言葉の「漢文特講」、最終日の最終時間にセンターの過去問をやりました。
「出口の見えないトンネルから、出口の見えるトンネルになった。」
授業後の受講生の言葉の端々に、手応えがありました。満点がとれた生徒もいましたが、「何をどのように学ぶか」という、勉強の方向性がみえたことが一番の成果でした。過去問で満点が取れた高3のK君、God job.よくできました。カタルシスというのでしょうか、とても気分よく帰りました。センター漢文の満点に向けて、はずみがつきました。うれしいです。
がしかし、道なかば。出口が見えるようにはなったものの、今だ「トンネルの中」です。夏本番、毎日の道程をたいせつに。
実り多い特講となりました。
以上ご報告まで。
多謝。塾長 高原雅美